朝の光

ここに額装された作品の拡大画像があります。
木の根っこの部分だけを横長の構図で描いている。根はこけに覆われ地面を鷲づかみにするようにしほうはっぽうへのびている。円形は白く水分をたっぷり含んだ空気に満ちている。

2007年  P50(117mm x 803mm)

 僕の今は、麻痺重き身の療養生活。もう三十数年にもなる。体力もなく、体中に常に痛みがあり、その痛みの上に更に激しい痛みが走り、安眠もできない。一般的にはかなり厳しい状況と言えるだろう。そんなこともあって、自分の描く絵の世界まで暗かったり、やりきれないものにはしたくない。明るく穏やかな、ホッとするようなものでありたいと思っている。
 この絵も描いた景に僕の思いを重ねている。表面的には樹齢数百年の巨木や、立ちこめる朝靄に日が射し始めたところだが、主題は明るくて清々しい、穏やかな情感を描いたつもりだ。そして、そんな情感のようなものは、取りも直さず僕の生活もまた、そんなふうに穏やかなものであって欲しいとの思いがこもっている。

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